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[10月26日#1] アルゲリッヒの弾くシューマンのピアノ五重奏曲から学ぶ [音楽と感動]

[10月26日#1] アルゲリッヒの弾くシューマンのピアノ五重奏曲から学ぶ

何が幸いかを予測することは不可能だと悟る出来事だらけだ。その一例を示そう。10月だ。
日曜にテニスに出かけたらにわか雨で2度もコートの水掃きをする羽目に。運動になった。
そのとき演奏会の招待券を頂戴した。そのピアノリサイタルが素晴らしかったと昨日書いた。

一方で、同じ時間に芸文ホールでは内田光子とハーゲンカルテットによる演奏会があった。
曲目はブラームスとシューマンのピアノ五重奏曲。家人はそちらへ行き感想を交換し合う。
若い内田光子がベートーヴェン弾きだったのを覚えているから、情熱的な演奏を期待した。

しかし不幸が彼女を襲う。兄を失う。それ以来彼女はより美しい音楽を追及するようになる。
モーツァルトやシューベルトに向かう。歯切れの良い躍動感ではなく足が動かない音楽だ。
それ故に美しさが際立つとも評されるが、大半のクラシックの曲はリズムが重要な要素だ。

グラミー賞を受賞して日本を代表するピアニストになった。果たしてピアノ五重奏はどうか。
知り合いのピアニストさんが二日間譜めくり役をした。アンコールになって漸くほっとした。
ピアノを持参する。ところが聴いたひとは予想とは違い地味な演奏に感じたというのだ。

たまたま土曜日に録画してあった震災復興番組にアルゲリッヒが出て来るのを鑑賞した。
シューマンのピアノ五重奏曲。ベルリンフィルのメンバーとマイスキーのチェロという編成。
樫本大進が第2ヴァイオリン。シューマンに打って付けの豪華版だ。これ以上は望めない。

到る所シューマンの情熱が奔流となって迸る。躍動感。全身を使って弾く。チェロが二人?
ヴィオラだ。すごい音だ。そして全編に亘ってピアノがリードする。一瞬早く引っ張るのだ。
シューマンはこう弾きたかったのよと言わんばかりの説得力溢れた演奏に肩当てが落下。

人差し指1本でスケールのメロディを弾く。「アダージョとアレグロ」のピアノにも出て来る。
セミスタッカートはこう弾くのかと納得したり速すぎて無理かなどと思うと又画面に釘付け。
家人が一緒に見ていて昨夜の内田光子の演奏と比較するので更にすごさが強調される。

演奏家の感性は様々だ。各人各様の過去を背負って生きている以上同じにはなり得ない。
そして聴く側もまた同じ事情だ。好みも多様だ。ただ共感が得られる方が良いかと考える。

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