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[2013年09月06日] 待望のショパンとリストを聴く [音楽と感動]

[2013年09月06日] 待望のショパンとリストを聴く

今日は待ちに待ったピアノのコンサートを聴く。ショパンとリストの作品。
それだけで演奏者水村さおりさんの力量と意気込みが分かると言うものだ。
前半はショパン、後半はリストと馴染みのある曲を主体に聴衆を魅了する。

最初はアンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ。大好きな名曲。
名大のピアノ同好会に加えて貰って、名東文化小劇場で大トリで演奏した。
到る所に甘美なメロデイと力強さを理性的に配置し技巧的に輝かせる曲だ。

繊細な弾き始めからコンチェルト風な短い導入部の後ポロネーズが燦めく。
音が澄んで綺麗。電気会館のホールは目障りも耳障りもなくいいホールだ。
自分で弾いたから判るが難しい曲だ。それを全く感じさせずに盛り上がる。

続いて4つのマズルカ。哀愁漂う舞曲のリズム感と表現に揺り動かされる。
前半最後はバルカローレ。ショパン独特の技巧を駆使した馴染み深い曲だ。
以上の演奏でポーランドの風土とフランス文化の融合した芸術を堪能した。

休憩の後は気分が一新して後半に期待は一層高まる。今度はリストの名曲。
ショパンで酔わせた後リストをどう弾くか。これは挑戦的なプログラムだ。
ピアノ好きなら誰でも知っている「ため息」。旋律が余韻のある澄んだ音。

目が釘付け。タッチは勿論左右の手が美しく交差してメロデイを織り成す。
その優しさ溢れる女性的な仕草がリストでは目にも止まらぬ速さに変わる。
リゴレット・パラフレーズ。左のオクターブで意外感を与えて輪をかける。

圧巻は次の「スペイン狂詩曲」だ。聴く人に楽譜を想像する隙も与えない。
余りの難曲だから滅多に聴けない。時折浮かび上がるメロディが懐かしい。
全身が壊れないかと思うような超絶技巧で弾き進が音はしっかり濁らない。

聴衆全員が息を呑む熱演でも乱れず大曲を弾き切った。素晴らしい大拍手。
聴衆の大拍手に応えてアンコールに「愛の夢」とノクターンを大サービス。
超絶技巧の大曲を演奏中もだが終わってもまだ余力があるとはすごい頭だ。

脳の仕組みが分かったと言いながらもすごい演奏能力に深く感銘を受けた。
期待を裏切らないどころか予想を遥かに上回る演奏に又次回を期待したい。

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[2013年07月30日] 被災地を思う仙台ゆかりの演奏家の演奏を聴く [音楽と感動]

[2013年07月30日] 被災地を思う仙台ゆかりの演奏家の演奏を聴く

今日は千種駅近くの5/Rホールに行き、標題のコンサートを聴いた。
仙台は学生から交響楽団やテニス、ゴルフと研究・労働した場所だ。
私の人格形成に一役どころか何役も買った所だが大地震の記憶もある。

昔1978年の6月12日に起きた宮城県沖地震は震度7.4だった。
2年前の東日本大震災では近くの郷里の浜が大津波で壊滅したのだ。
家が流され重油による火災が寒い冬の陸前高田や港を襲い人を呑み込む。

避難した場所から撮影した生々しい動画は今でも脳裏に焼き付いている。
復興支援を願う人々はいろいろな形で何かをして元気づけようとする。
仙台市在住の相澤やよいさんが始めた「祈りを込めて」の7回目の演奏会。

1曲目はピアノでバッハのパルティータ第2番(長谷川美玲)だ。
今月11日にキム・ソヌクのパルティータの第1番を聴いている。
だから注文も付けたが次第に各部の旋律が浮かぶようになり訴える曲だ。
ただ心から楽しみたいのは山々だがいつになってもはらはらどきどきだ。

続いて2曲目はヴァイオリン(大岩亮子、Pf 坂川映子)で2曲。
先ず、クライスラーの「テンポ・ディ・メヌエット」
次にストラヴィンスキーの「イタリア組曲」は目新しい作品だ。

続いてブラームスのピアノ(坂川映子)で曲は、
「ヘンデルの主題による変奏曲とフーガOp.24」は熱演だ。

休憩の後はクラリネットでウエーバーの「大協奏的二重奏Op.48」
元仙台フィルのクラリネット主席奏者だった日比野裕幸氏(現宮教大教授)
とピアノが相澤やよいさんで息の合ったデュオ。いい音色でうっとり。

最後はモンティの「チャールダッシュ」を大岩、日比野、坂川の3人で。
暖かい拍手に応えて、アンコールに沖縄の歌「きび畑」で締めくくった。

終わってロビーで全員と挨拶、自然な空気、同郷とはいいものだ。
特に日比野さんとは大勢の音楽仲間が共通していて仙台に帰ったみたい。
仙台シンフォニエッタの指導もされているとのこと。再開を約束した。

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[2013年07月18日] バロックの弦楽合奏と声楽を聴く [音楽と感動]

[2013年07月18日] バロックの弦楽合奏と声楽を聴く

今日は宗次ホールで弦楽合奏と声楽を聴いた。
昨夜の芸文ホールとは打って変わって音響が良い。
会長と話したら設計の最初から三枝氏が監修に加わったと言う。

現在、音樂会を成功させるコツについて脳科学の視点で書いている。
そのため、どうしても批評家気取りになって聴いている。
音響が素晴らしいとは実は演奏のアラが丸出しになることである。

どこが?
これが気が付かない幾つかの点があり、気が付きたくないのだ。
当人たちは愛知県芸大卒と若いので知らないし気が付いていない。
バロックで大袈裟な指揮も目障りと辛口になる。

ランチタイムにも関わらず聴衆の入りは満席に近い。
補聴器が共鳴して虫の音のようだが愛嬌。歳だから。
まあ妥協の世界だ。改めてホール側の営業の上手さに舌を巻いた。

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[2013年7月17日] ビルテゥオーゾの弦楽合奏を聴く [音楽と感動]

[2013年7月17日] ビルテゥオーゾの弦楽合奏を聴く

今夜は名だたるオーケストラの主席奏者を集めた弦楽主体の演奏会を聴いた。
コンミスは大谷康子さん、ヴィオラのトップは我が師と仰ぐ百武由紀先生だ。
指揮は大友直人氏で作曲家三枝成彰氏との共同企画だ。彼の作品も演奏する。

演奏に先立って三枝氏のプレトークがあり、主にバルトークとシューベルト。
バルトークは弦の響きも独特でファンも多くアジア人の蒙古斑の話が面白い。
シューベルトは歌曲「魔王」のドラマティックな例を挙げて若い天才を偲ぶ。

最初に彼の「震災の為のレクイエム」の演奏。プログラムに改訂初演とある。
実はプログラムは気に懸けてなく、メインの「死と乙女」だけが頭にあった。
だから聴く内に次第にキリスト教的な清澄で癒される感じの響きに聴き入る。

偶然にも午後に車を運転しながらFMのクラシック番組を聴いたからなのだ。
プーランクの宗教曲をやっていて、小澤征爾指揮の「スタバトマーテル」だ。
悲しみの聖母マリア。磔になったキリストの死を嘆き悲しむ母の愛は切実だ。

折しも本能と家族愛について書いている時だから感受性が高まっているのだ。
古くからのテーマでドボルザークの作品は良く演奏される。ステージを注視。
オーボエとティンパニを加えた弦五部の左手にカルテットが置かれた編成だ。

やはり不安が的中した。芸文は弦楽器が鳴らない。カルテットが聞こえない!
オーボエやコントラバスの音はよく通るが、ヴァイオリンは本当に響かない。
後で三枝氏に直接会えたので訊いてみた。こちらとあちらの世界の意だって。

続いてバルトークのディベルティメント、独特のリズムと新鮮な不協和音だ。
大谷さんが上手い!勿論百武先生も!今度は響かない筈の音がよく聞こえる。
ステージの弾く位置や楽器の条件や聴く席等音響は色々な要素があるようだ。

休憩後シューベルトの「死と乙女」、マーラー編曲の弦楽オーケストラ版だ。
原曲は弦楽四重奏曲。速いパッセージが随所にあり、手首が硬いと弾けない。
これを8-6-6-5-3の編成で弾く。原曲が易しく編曲されてはいない。

唯マーラーにしても第1ヴァイオリン全員では無理と、ソロはやむを得ない。
それにしても演奏家がすごい。一流だ。全体を通して全く不安感がないのだ。
歌曲には揺らぎがありメロディが親しみ易くなるが、その歌う表現が魅力的。

指揮が良い。これだけの名人を集めたオーケストラを上品に纏め上げ立派だ。
感想は期待とは異なり弦楽四重奏の響きが耳にこびり付いて時々邪魔をする。
どうしても弦楽の幅が出る。マントバーニの流れる星のイメージが付き纏う。

マーラーがメモを残しながら完成させなかった理由がそれかも等と推測した。
熱演だが実際は平気なのだ。アンコールにアイネクライネをさっぱりと弾く。
もう至る所に優しい細やかな気遣いが感じられる。聴衆も共感したいい演奏。

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[2013年03月13日] 金子みすゞの心に自分を重ねるコンサートの感想 [音楽と感動]

[2013年03月13日] 金子みすゞの心に自分を重ねるコンサートの感想

東日本大震災の記念日の3月11日の昼,金子みすゞの世界を再び心で味わった。
宗次ホールのコンサートで2年前の秋に第1回目がありその時も日記を書いた。
ホール側の巧みな営業戦略に乗せられたとしても今回は聴く心構えが大違いだ。

今回も完売で入れなかった人が出るほどの盛況。みすゞファンが大勢いるのだ。
震災の直後にテレビでひっきりなしに流れた「こだまでしょうか」が耳に甦る。
大正時代に乱暴な夫と離婚し最愛の娘の親権を当時の法律で奪われて自殺する。

どうしても暗い話だがおおはたれいこさんの朗読には暗さが無く優しく伝わる。
発声も前回とは違ってとても良い。引き込む演出の仕方もうまくテンポもいい。
そして照明がピアニストの丸山晶子さんに切り替わる。詩に寄り添うピアノだ。

シューベルトの原曲にリストが編曲した演奏会用の曲が詩のリズム感を後押し。
今回の副題は明るい方へとある。それでも私にはみすゞの冷徹な感性を感じる。
現在執筆中の本の原稿が何度目かの校正を経て遂に終わろうとしているからだ。

脳の仕組みに関する新しい発見から10余年が過ぎて漸く全体像が見えて来た。
ビッグバンに始まる宇宙の形成時の素粒子物理学から情報数学と言語と意味論。
これらを全て統合することで人間の本能の働きと理性の役割が解明出来たのだ。

弱い動物は群れを作る。人間も例外ではなかったが武器を発明してから変った。
組織化社会を作って人間が人間を奴隷として働かせる仕組みを作り出したのだ。
大多数の庶民を出来るだけ貧しくして全員が貧しいものだと思わせて洗脳する。

今も組織は圧倒的に男社会が根強く残る。所がみすゞは洗脳されなかったのだ。
いくつかの詩に詠まれた反対の概念がその証拠だ。明と暗、嬉しいと悲しい等。
全てを反対にして考える態度こそ何事にも疑い抜く科学の探究心に他ならない。

民主主義社会となった現在の日本の女性は決して無力ではない筈だが学べない。
教えられる人がいないのだ。もし指摘する人がいたとしても悪者にしてしまう。
伝統的な社会は、一方では住む上で安らぐが他方では改革がされ難い面を持つ。

みすゞの詩には生きものや花になって考え相手を包んで思い遣る優しさがある。
その本質的な魅力は女性の目を通して矛盾を感じ取る科学的な感性ではないか。

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[2012年12月28日] なぜ音楽が上達しないかの秘密を暴露しますね [音楽と感動]

[2012年12月28日] なぜ音楽が上達しないかの秘密を暴露しますね

またまた脳の黄金定理、知らないと損をしますよと云う嘘のようなお話です。
雨模様の中、宗次ホールの今年最後のランチタイムコンサートに立ち寄った。
若い4人のリプトン弦楽四重奏団による演奏でヨーロッパを巡ると云う趣向。

第1ヴァイオリンとチェロさんは顔馴染みだ。ソーラン節から旅は始まった。
必ずトークを入れるのがホールの決まりだが、話は上手くないし、よく噛む。
結成して6年目なの?口下手は楽器と無関係と言わんばかりだ。同じなのに。

ソ連はショスタコーヴィッチ、ドイツはハイドン、イタリーはボッケリーニ。
フランスはドビュッシー、スペインはビゼー、チェコはフィビヒの作品から。
弦楽四重奏の一部の抜粋だから飽きないし、カルメンの編曲演奏など新鮮だ。

しかし学芸会の雰囲気がする。幼いのだ。若いから無理もないのだろうか?
愛知県芸出の性格のようだ。その理由を数理的脳科学から分析してみよう。
恐らく音楽を聴いて泣くなど想像も出来ないのではないか。知らないのだ。

ヨーロッパの歴史は血塗られたものだ。そこに皇帝や貴族階級が生まれた。
癒しを求めていろいろな芸術が花開く。しかし芸術は楽しいとは限らない。
ショスタコーヴィッチならボロディン四重奏団の逸話を学んで欲しいのだ。

チェロのベルリンスキー教授がモスクワ音楽院で弟子の学生に演奏させる。
かつて教授らが学生の時に演奏を本人に聴いて貰ったら途中で出て行った!
後で奥さんから感激で泣いたからだと。教授も同じように学生に感激する。

教授の彼の音楽は欧米人には理解されないだろうと話すのが印象的だった。
ここでは別に日本なのだから深刻ぶる必要はない。ホールの営業を手伝う。
それでいいのだが自分の聴覚を磨くべきだ。宮本笑里の番組が手本になる。

観ていない!知らない!自分の音がどう心に伝わるのか考えたこともない?
弦楽器のビブラートが足りない!えみりに師のラカトシュが指摘したのだ。
自分が弾く時に聴いていると思うのは錯覚なのだ。現実には聴いていない!

だから誰かに聞いて貰って修正するしかない。それ故に四重奏は奥が深い!
ビデオを見直してみるとよい。これらは極めて当たり前だと気付くだろう。

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[2012年12月25日]クリスマスを祝って [音楽と感動]

[2012年12月24日]クリスマスを祝って今日はクリスマスイヴコンサート、ボランティアで参加し演奏しました。会場に行ったらこんな大きなポスターが!
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下はアップ。前回のときの写真です。
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今日は宗次ホールのランチタイムでMiAクリスマスコンサートを楽しみました。後援会長をしている谷上節子さんが安定感ある歌唱力で艶のあるソプラノを披露。その後東急ホテルで出演者全員と会食。北住先生のピアノ奏法の話やつつみ先生、水野みか子先生、平田先生、小川先生と作曲家と演奏家の関係の心理で大盛り上がり。ロマ音楽とブラームスやドボルザークの関係やリストと何とも多彩な話題に有意義な時間でした。
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[08月08日] ちいちゃんの終戦という小コンサートを聴く [音楽と感動]

[08月08日] ちいちゃんの終戦という小コンサートを聴く

愛知県芸文センターの中リハ室で開かれた音楽会に出かけた。朝10時半開演。
つつみあつきさんのクラリネットコンサートだが歌あり朗読つきの音楽ありだ。
彼を中心として回りにいる音楽家達が手伝っていろいろな面で会を盛り上げた。

私が後援会長をしているソプラノ歌手の谷上節子さんが珍しく日本歌曲を歌う。
ドイツリートが専門だが最近は範囲を広げて歌の魅力を知らせたいと意欲的だ。
つつみさんとは長いことMiAの会等で宗次ホールや芸文で共演している仲だ。

最初は小川裕三作曲のクラソナタ。ピアノは伊藤真理子さん。耳によく馴染む。
続く谷上さんの日本歌曲の編曲も小川さんだ。リズムも曲想も斬新で爽やかだ。
人は見かけによらないものだ。MiAの会では埋もれていたような才能を見た。

昔懐かしい文部省唱歌を変則的なリズムとクラの変幻自在な音色の助奏で歌う。
誰でも知っているメロデイと歌詞がきれいな声で歌われるのを彩り豊かにする。
ピアノのリズムはジャズのスイングと同じく足でステップを踏んでいる気分だ。

中リハ室は天井が上の大ホールに合わせて高さが違う効果で意外と音響が良い。
後半は終戦の日が近づいて夏の日と言うこともあり戦争の記憶を甦らせる曲だ。
疎開先から少女が母親に逢いたくて名古屋に戻ると空襲で城が燃え落ちてない。

実際の体験に基く作文のナレーションと音楽と照明効果のコラボレーションだ。
作曲は名古屋の小塚憲二さん、艶のあるナレーションは女優の小瀬水素子さん。
午前中なのに大勢のファンが集まって暖かい拍手でつつみさんに共感を伝えた。

実は終戦の思い出は私も負けていない。敗戦と原爆と無条件降伏と神風等々だ。
後になってポツダム宣言を学び、受諾しないために原爆投下の口実を作らせた。
実際は大統領選挙のための人気取りだ。かと思うと大津の中2自殺の市教委も。

隣の韓国も竹島を現職が訪問。どれもこれも旧い頭の保身本能の醜さが見える。
どうも神(=自然)の創り出したDNAにはいくつかの欠陥があるようなのだ。
人口を増やす性本能の仕組みが効果が大き過ぎて貧困と戦争の原因が生まれる。

それを防ぐための英知が未熟なのだ。それを考えていたら公開するのが遅れた。

タグ:感動 戦争 本能
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[08月03日] なぜバッハはかくも魂を揺さぶるのか [音楽と感動]

[08月03日] なぜバッハはかくも魂を揺さぶるのか
 http://www.nicovideo.jp/watch/sm7701311 J.S.バッハ作曲の無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータを聴いて回想する。 学生の時に初めて上野の文化会館に行き、ヘンリクシェリングの演奏を聴いた。 それから50年余りの間にグリュミヨー、パールマン、ベンゲーロフ等を聴いた。 最近はヒラリーハーンをよく聴く。演奏家毎に楽器も異なるし弾き方も異なる。 それでも誰が弾いてもいい。聴き惚れる。以前ほどは比較しないようになった。 バッハがそこにいる。この小さな楽器が響かせる楽音の大きな世界にいるのだ。 自身の出す音とホールの残響が和音を作り多彩なオーラを発する秘密に憧れた。 純正調の和音の心地よさは重音の弓が作り出すアクセントの力強さと対照的だ。 完全五度で調弦された4本の弦と1本の弓だけ、それに左手の指も4本だけだ。 それなのに絹漉し豆腐の滑らかさから輝くダイヤの硬さまで広い表現力がある。 太い丸太の低音から細い髪の毛の高音が重なると見えて、時折り顔を覗かせる。 音の空間構成は耳に響く有限の3次元空間を超えて無限の広がりを想像させる。 耳から入って来るだけの音に聴覚は無限の空間を作り出す。神の成せる御業だ。 折しもオリンピックを観戦しながらDNAプログラムの欠陥について書いている。 全ての生きものは神(=自然)の産物だ。神が創りだした作品が不完全なのだ。 エネルギーの悪魔の顔の核兵器は科学者が持てる英知を全て傾けて創り出した。 核の平和利用は一見すると神の顔だが経団連と保安院官僚は化けの顔を剥いだ。 神も悪魔もエネルギーなのだ。心の中にいるのは正義にも邪心にもなる本能だ。 その心を映し出すのが階層構造をした組織社会のコミュニケーションなのだよ。
タグ:神の領域
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[07月23日#2] 故吉田秀和氏への羨望、同情かも [音楽と感動]

[07月23日#2] 故吉田秀和氏への羨望、同情かも

今日のクローズアップ現代のテーマは、今年5月22日に亡くなった吉田秀和氏だ。
大正2年つまり1913年生まれだ。98歳だった。小澤征爾が恩師との思い出を語る。
彼の業績を紹介する度に溜め息が出そうになる。膨大な数の全集類と刊行物が並ぶ。

彼は何を書きたかったのだろうか?演奏を聴いて批評するのが音楽評論家の仕事だ。
いわばけちをつける役目だ。一般聴衆には聴いた演奏の良し悪しの判断が出来ない。
折角ホールに行き生の演奏を聴いたのだ。絶対的な権威が何と判断するか知りたい。

その評価に合わせて自分の音楽鑑賞能力を高めたい。文化のレベルをアップしたい。
知識の質と量を高めたい。他人と比べ見劣りしないように努力するのは本能に依る。
誰でも行けるお祭りとは違い、選ばれたセレブしか聴きに行けない高尚な音楽会だ。

しかし文化は高くなるほど広まるのが現代の情報化社会だ。評論家の質が問われる。
彼が不動の地位を築いた理由は何だったのか?ダイヤの鑑識眼と同じく経験だろう。
脳の形成は受精後約4週頃に始まり、環境が与える刺激が将来の好奇心の種を作る。

特に音楽を聞かせることが脳の形成と発達に重要だ。左右の聴覚が比較するからだ。
左右の耳から入る音がごく僅かにずれることで音源の方向を知る回路が形成される。
弱い生きものが必要な基本的能力だ。比べる能力が伸びる快感は知識を増やす基だ。

番組は日本が空襲を受け原爆で止めを刺され無条件降伏を呑んだシーンを回想する。
一面の焼け野原から奇跡的な復興を遂げる日本。高かった文化をどう復興させるか。
安保闘争を経て次第に落ち着く中で彼の音楽に対する考え方は科学的な見方だった。

身内の長女の方の証言が印象的だ。父は物事の全ての裏を見ようとしていたのです。
なんと、私が確立した宇宙を支配する二面原理に裏付けられた二面理論の考え方だ。
カラヤンや小澤征爾の素質を見抜き、ホロヴィッツをひびの入った骨董品と冷酷だ。

彼には数学や物理学の知識が無かったから悩んだのだ。その成果が夥しい出版物だ。
しかし妥協を許さない冷徹な批評は、音楽愛好家にとって揺ぎ無い拠り所となった。
しかも音楽だけでなく国際的な広い視野で批判する眼はあらゆる芸術に向けられる。

奥さんがドイツ人でバイリンガルな点も注目される。言語のセンスが磨かれるのだ。
数理的脳科学の立場から彼の業績を分析し、高く評価すると共に同情の念も抱いた。

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