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[10月10日#2] 若い弦楽四重奏団の成長期の矛盾に魅了される [音楽と感動]

[10月10日#2] 若い弦楽四重奏団の成長期の矛盾に魅了される

ジュピターカルテットの4年間に亘る追跡。夫々が卓越した技巧の主だ。個人の成長が主題。
カルテットが嫌いなディレクターがなぜ4人の若者がこれほどのめり込むのか興味を抱いた。
2004年に結成されすぐに有名になった。将来が期待される新人たちだ。若いだけにどうなる?

1,300日を越える記録。4年前に撮影開始。バルトーク。世界を目指し今井信子さんに見て貰う。
録音審査で少しずつ感じ方の違いが出て来る。なんと予選落ち!サクセスストーリーが挫折!
先ずヴィオラの原麻理子がジュネーブ音楽院へ飛び出す。今井信子教授に師事して勉強する。

第1ヴァイオリンの植村太郎は名フィルの客演コンマス。留学する。結局4人とも海外で留学だ。
いろいろ紆余曲折を経る。第2ヴァイオリンだった佐橘まどかはバッハの無伴奏を弾くソリスト。
すごいのはチェロの宮田大。日本人初のロストロポービッチコンクールの優勝者になったのだ。

彼の話。審査員にカルテットをやっていることを言い当てられた。独奏チェリストと相容れない!
ドボルザークのチェロ協奏曲では自由奔放に歌い上げるところが萎縮する。さすが審査員だ。
佐橘の話。なんでジュネーブなんかに来たのか。来たくなかった。孤独との闘いの日々を過す。

ヴィオラの原は大型の逸材だ。今井教授の厳しい指導で日増しに師の弾き方と音に似て来る。
植村の反省は興味深い。両親が音楽家で上手いと思い込んで来た。コンクールでも優勝した。
それがヨーロッパの音楽とは違っていたという発見が孤独と重なる。悩み抜く。そこへ怪我だ!

見ていて治るのかはらはらどきどきだ。元のように治って名古屋でコンマス。それにおまけだ。
音楽をやるのが当たり前だと思っていた。怪我でその有難味が痛切に分かった。大きな成長!
そして再会する。なんといっても圧巻はジュネーブ音楽院でタカーチ教授に受けたレッスンだ。

かのベートーヴェンの演奏で最高の評価を受けたタカーチカルテットの創始者のヴァイオリン。
植村の表現法つまり弾き方を直す。真の音楽とは何かを身をもって教える。第1パートを弾く!
聴いている植村の目に涙がこぼれる。こちらもだ。ベートーヴェンの音楽は既に美があるのだ。

上手く弾こうとするな、十分に上手い。音楽を言葉と思え。通じる言葉と思って弾く。虹のように!
音楽家といってもソリストからオーケストラそれに室内楽奏者まで多岐に渡る。将来何になるか。
若い時のコンクールではまだ分からない。若い時分の武者修行は確かに成長に必要のようだ。

皆孤独がきつかったと言う。しかし誰もがその孤独に耐えたのだ。そして国際人になっている。
各自がしっかりした技術の持ち主であったことが一流の指導者に会えた最大の理由だと思う。
全く若さは特権だ。開き直る位の根性も必要だ。楽器の練習がそれらを鍛え上げたのだよね。

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